ネットオークションをしてみませんか

アメリカ,人生・生活,動物愛護

寄付金集めに、ネットオークションをしてみませんか

欧米には寄付文化があり、日本にはない?

先日、ある日本の愛護団体とズーム会議をした。
この団体とは、保護活動のアドバイスや、シェルター内の保護動物の医療相談や、会の活動方針など、定期的に話し合いをしている。。
そして、資金や経営の話になった。
ご寄付をもっと、包括的、定期的に募のるにはどうするか、ということを話した。

ここの代表曰く。

「クラウドファンディングをするには、やはり世間の注目を得るようなひどい病気の犬にストーリーを書いて説明しなくてはならない。うちは、比較的若くて健康な保護犬ばかり。資金はいつも不足しているけど、莫大な医療費を1匹にかけている訳ではないので。。」
そして、「なかなか、日本は欧米のような寄付文化がないですからねえ」と言われた。

どうなのだろう。。。

国別に比較した、寄付金の額については、調べたことがないが、私は個人的に、日本人は決して寄付文化がないとは感じていない。
アメリカに住んでいて感じるけれど、アメリカ人が皆、簡単に寄付をしている訳でもないと思う。
もちろん、ある程度の文化や歴史の違い、そして、税金の制度の違いもあるかもしれない。

アメリカの場合、資産家の方、あるいは、大富豪ではなくても、死亡時に、少しまとまったお金のある方は、そのお金を、NPOなどの慈善団体に寄付するという文化がある。
確かに、遺産のご寄付は多いかもしれない。

実の子にまとまったお金を残しても、悪戯に使われるだけ。
本人のためにならない、と思い、心を鬼にして、本当に自分の子のことを思うからこそ、あえて子には財産を残さない人もいる。
芸能人や実業家などは、税金控除と、イメージ作りのために、動物愛護団体に、毎年の収入の一部を寄付する人もいる。
しかし、アメリカの一般市民の多くは、それほど余裕がある訳ではない。
自分のまわりを見ても、大学の学生ローンの返却支払いや、クレジットカードの支払いだけで精一杯で、余裕がないという人が結構多い。

一方、日本人は、金額は決して多くなくても、少額のお金を寄付する人がそれなりに多いと感じている。
日本のSNSを見ると、クラウドファンディングがとても普及し、また、目標金額が集まる、成功ケースも多々目につく。

クラウドファンディング

ただ、ここに来て、クラウドファンディングの不正や、問題点も浮上している。
事実ではないことを、事実のように見せかけて、ご寄付を集める詐欺行為があったと指摘されることがある。
また、クラウドファンディングの開始後に、事情が変わり、例えばその動物がすでに死亡してしまっても、そのまま寄付を募っていることもあるらしい。
何より、急速に成長している方法なので、どこまでが寄付で許され、何がふさわしくないのか、まだ社会的に統一した見解がない。

愛護団体のボランテイアが減り、有給のお掃除の人の給料が払えないから、クラファン?
本当は薬で何とかなる心雑音だけど、獣医さんが100万円の心臓手術を勧めているからクラファン?
15歳の犬の白内障の手術にクラファン?
10年前にノラ猫を保護した、自分の猫だけど、腎臓が悪くなって、治療費が高いから、クラファン?
中には、本当に必要なのか疑うものもある。

そして、クラウドファンディングが成功し、ご寄付が集まった後は、税務所への収入としての申告に関しては、どの程度きびしくフォローされているのか。
あまりにも常識はずれなことでご寄付を募ることで、クラウドファンデイングに対する、全体の社会信頼度が低下するとも懸念されている。

また、誰もが、保護動物という名称を簡単に使わないよう、個人が飼っている動物や、ペットショップの売れ残りやリタイヤ犬などは、今後、きちんと統一する必要があるだろう。

もともと日本人は、警戒心が低く、簡単に信じてしまう人が多い。
それゆえ、振り込み詐欺被害も後を絶たない。
心やさしいのはいいことであると同時に、時にはアメリカ人のように、自己防衛やガードが固く、他人をすぐに信じない、というのも必要だ。

バザーからオークションの時代へ

ひと昔前は、日本もアメリカも、バザーという寄付金集めの方法が一般的だった。
お金の代わりに、自宅にある不要になった物を、NPOに寄付する。
多くは、古着だったり、古食器だったり、たまに使っていない新品も。
それらの品物に、安い値段をつけて、例えば古着1枚100円、などとし、バザーの当日、人々に買ってもらう。
バザーで得た収入が、すなわち、そのNPOなどの団体の寄付収益となる。
ただ、バザーの売れ残り品の保管場所が必要ということで、不便なため、最近はあまりみなくなったと思う。
さて、アメリカでは、このバザーから少し発展して、オークション(競り市)というのが、結構広まっている。

生のオークションからネットオークションへ

オークションも、いくつかの種類がある。
1つは、生のオークション。
これは、チャリテイーイベントや、デイナーショーなど、ある日、皆が集まったところで行われるオークション。
まず事前に、オークションに出展するアイテムのご寄付を募る。
古着とかではなく、これはレアものや、コレクターが興味を持つ物。
生のオークションでは、競り師が、現場で音頭をとりながら、寄付の品物を売る。
一つ一つアイテムを取り出し、会場に購入希望者がいないか問い、少しずつ値段を上げる。
私も何度か、ライブの生オークションに参加したことがあるが、なかなか楽しく、とても盛り上がって興奮した。

さらに、サイレントオークション。
これは、会場に並べられたアイテムの前に、紙が貼られ、希望者が買い値を記入するもの。
次にほしい人は、さらに高い値段を書き込み、最終的に一番高い値を書いた人に競り落とされる。

さらに、ネットオークション。
コロナ禍の今、多く行われているのが、この、ネットでのオークションだ。
そう、誰もが、自宅から、PCやスマホで参加するもの。
まず、インターネット上に、ご寄付でいただいたアイテムの写真を出す。
それを見て、ほしいと思った人は、値段をサイト内に書き込む。
期限が来て、一番高値で購入希望した人が、そのアイテムをゲット。
ネットオークションのいいところは、競り落とされるまで、アイテムは、ご寄付の方の家に保管し、愛護団体に送ってもらう手間暇がないこと。
ご寄付する時に写真だけ送ってもあい、競り落とされた後に、直接、購入者に送る。

断捨離からサービス券まで

さて、このネットオークション。
私は、実は日本人にはとても合っているのではないか、と感じている。
まず、日本ではお歳暮やお中元、結婚式の引き出物など、贈答の機会が多いこと。
そして、いただきながら、「ちょっとちがうな」と、使わないでしまっている物が、家に保管している人もいるかと感じている。
ブックオフに持っていくくらいなら、ぜひ、それを愛護団体のご寄付に役立ててほしい。(ブックオフに特別な意図、感情はありません、念のため、笑) 。
古本、古CD、古着、ベビー用品など、いらない物が家から消え、一石二鳥です。

以前、アメリカの愛護団体のネットオークションで、「犬猫の解剖アトラス」「動物看護師入門」「感染病学」といった、古い教科書が出典されたが、ほしい!という人が殺到し、結構な高値がついてた。
もちろん、かわいい犬猫のグッズからカレンダー、額に入った絵から犬猫のベッドまで、様々。

さらに、オークションへの出展アイテムは、「物」じゃなくてもよいのだ。
○○レストランの50ドル食事券、○○ゴルフコース18ホールプレイ券、といったサービス券でもよい。
コロナ禍で、お客が少なくなっている、地元のレストランやお店などに、オークションへの出展をお願いするのはどうか。
「2皿目は50%オフ」「2人で来店したら50%オフ」というギフト券ならば、お客様の来店が期待できるだろう。

その昔、私が動物病院を開業していた時は、とあるNPOのチャリテイーのために、「犬のワクチン無料券」と、「犬のVIP健康セット券―診察、血液検査、ワクチン、レントゲン、フィラリア検査、ノミフィラリア予防薬1か月―全部無料券」というのを寄付したことがある。
毎日の診療にとっては、それほど大きな出費ではなく、むしろ、こういう形で、団体を応援できたということがとてもうれしかったと思い出す。

ボランテイアさんの親しい人のお店から近くのレストランや、酒屋さんから自転車屋さんまで、現金のご寄付はご無理でも、何かのアイテムやサービスならば、ご寄付も可能かも。

クラウドファンディング以外にも

いかがでしょうか。
動物たちのお世話で、忙しくしている毎日でしょうが、愛護団体の皆さん、どうか、時にはじっくりと、新しいタイプのご寄付を考えてみてください。
保護活動や譲渡を続けるということとは、地域住民、コミュニテイーと深く関わることであり、動物のために何かしたいと協力している人たちが、たくさんいる、ということに改めて気づくことです。
コロナ禍で大変なのは、お互い様。そんな中、クラファンで、お金ちょうだい、というだけではなく、何かお互いに助け会うという形として、ネットオークションもいいかもしれません。