私のターキー料理

アメリカ,人生・生活

サンクスギビングとクリスマス

最初にお伝えしますが、今日は、動物愛護の話はありません。
全くもって、私の個人的な、アメリカの感謝祭の料理のお話になります。
動物で出てくるのは、七面鳥だけ。
なので、興味のない方はスルーしてくださいね!笑。
しかも、こんなこと、ブログに書く予定もなかったので、ろくな写真もないです、ごめんなさい。

今年は私にとっても、コロナの流行のために、いつもと違った年になりました。
日本には1回も飛ばず、まる1年、ロサンゼルスで過ごしました。
まる1年、日本に行かなかったのは、何年ぶりかなあ。
対面での講演会はすべて中止になり、多くがウエブセミナーになりました。
また本業の臨床獣医業にいそしみ、また、久しぶりにゆっくりと家族と過ごす時間が増えました。
そんな中、今年は久しぶりに、サンクスギビング(感謝祭)のお休みに、ターキー焼こう、という気持ちになりました。
うーん、多分、15年ぶり?

ということで、アメリカで典型的なターキー焼きとはいかなるものか、その後のターキーの消費(残りターキー食い)方法について、アメリカン的な日常を、今日はここでご紹介したいと思います。
在米30年の、ママさん獣医の秘密のターキー料理。
初披露です!

アメリカのサンクスギビング料理って?

おそらく、アメリカ人にとって、感謝祭(11月最後の木曜日)は、日本のお正月みたいな家族行事と思っていただいてよいでしょう。
学校も会社も、この週、水曜から日曜日まで、5日間くらいお休みになるとこが多いです。
今年はコロナ禍で、パーティー制限されましたが、通常は家族親戚が大勢家に集まって、大きなターキーを焼き、その他多くの料理をたくさん作り、皆でお腹いっぱい食べてくつろぎます。

日本のおせち料理に、多少のバリエーションがあるように、この感謝祭デイナーも、家によって少しばらつきがあります。
典型的には、デカいターキーを焼いたもの、それに、ターキーの煮汁で作るグレービーソース、マッシュポテト、サツマイモ、コーンブレッド、マッシュルーム焼き、などです。
でも、その家独特の、得意メニューが加わることが多々あります。

そして、さすがアメリカ。どの家でも、必ず、ホームメードのパイが付きます。
こちらは、アップルだったり、パンプキンだったり、クリームパイだったり、チョコレートパイだったり。お母さんの得意のパイになります。
そもそも、感謝祭は、食べ物があり、住む家があり、愛する家族があり、健康があり、家族みんなが幸せであることに感謝する、というための行事。(のはず)
まあ、秋は農作物が実る季節ですからね。
それゆえ、感謝祭の週末は、皆、実家に帰って家でゆっくりして、Just eat and relax するのです。
日本の寝正月の気分ですね。
そうそう、なので近所のレストラン、その他のお店も、ほとんどみんな閉まっちゃいます。
こちらも、日本のお正月と同じですね。

ターキーの買い出し

私の場合、よし、今年は久しぶりにターキーでも焼きましょ、と決心したのが1週間くらい前。
毎年この時期、スーパーでは、ターキーの特設コーナーができて、売り出されます。

ターキーは、すべて、ガチガチに凍った状態で、冷凍庫の中で売られています。
これ、アイスクリームなどが入っている普通の冷凍庫とは異なり、超ビンビンに冷えたもので、ターキーも石のように固くなって、ごろごろ積み重なっています。
ファイザー社の新型コロナワクチンも、おそらく保存できそうな、マイナス70度、とかってやつじゃないかと思うほど、超冷たい冷凍庫。笑。(実際に零下何度かは知りませんよ)

私がゲットしたのは、18.6ポンド、約8,4キロの七面鳥さん。

長く触っていると、低温火傷するくらい、冷たく重い鳥を、スーパーのカートに入れるのも一苦労。
思わず、「よーっこらしょっと」と発声。こういう時は、ネイテイブである日本語が口から飛び出しますね。Ralphs マーケットの中でありながら。
お値段は、定価29ドルとありますが、セールのため、何と9ドル、約945円でした。
どこのマーケットでも、この時期、ターキーを目玉商品として、安く値下げしています。
これを持ち帰り、家の冷蔵庫に入れて、4,5日かけて、解凍します。
アメリカの家庭の冷蔵庫がデカいのは、このためなんですね。

スパイスの味付け

さて、感謝祭の前日、冷蔵庫の中で解凍し、柔軟性を持つって柔らかくなった状態の時に、体表にスパイスを塗るという仕込みをします。

このスパイス、これまた家庭によって、いろいろ。
「うちはオールスパイスとローズマリーをふんだんに使うの」
「うちはタイムとセージを押して、隠し味にナツメッグ」
「うちはシンプルにセージとバジル派よ」
など、アメリカ人はかなり熱く語り合います。
ちょうど、日本のお雑煮の話で、うちは醤油、うちは味噌、具は何、餅は四角だ丸だ、と盛り上がる会話と同じですね。

そして、30年、いろんなアメリカ人、イタリア移民、日系移民、メキシコ移民の家庭のターキーをいただきながら、西山独自に開発した私独自のスパイスミックス。
ここで一機に大公開!(誰も必要ないって?)

―ローズマリー 大さじ1
―セージ 大さじ1
―タイム 大さじ1
―ガーリックパウダー 大さじ1
―黒コショウ 小さじ1
―みりん 大さじ2
―うどんスープの素(粉タイプのやつ) 小さじ1

これを全部まぜて、ターキーの体の表面に、ごしごしとこすりつけます。
スパイスを塗られたターキーさんを冷蔵庫にもどし、明日の感謝祭まで待ちます。
「これぞまさしく、冷蔵庫で一晩寝かせる、だね」と、これまた日本語で呟く自分。
ちなみに、タイム、セージ、ローズマリーといったスパイスは、1ドル均一ショップで、たいてい買えてしまいます。

焼き日

さて、感謝祭当日の朝。
このくらいデカいターキーは、だいたい2時間とか、3時間かけて、オーブンで焼くことになります。
昔のアメリカでは、、スタッフィングといって、肝臓や砂肝(といっても、半端なくデカいですよ、これらも)などの内臓系と、パンを混ぜて、ターキーの中に詰めて焼いていました。
しかし、内臓が半生状態で間違って食べてしまうと、食中毒になるという問題もあり、最近では、内臓はどんどん食べなくなってきています。
といっても、超デカいターキー様。
お腹の中に内臓がないと、ポカンとした空洞になっています。
最近は、ターキーの内側には、野菜を詰めて焼くことが主流になってきています。
そのほうが、野菜から水分が出て、いい感じにジューシーに焼きあがります。
わが家の場合は、セロリ、ニンジン、ピーマン、パプリカ、ナス、玉ねぎ、ズッキーニを、ザクザクと大きく切り、ターキーの中に詰めます。

そして、オーブンに入れて、約2時間半。
おいしいターキーが焼きあがりました!
今年は付け合わせとして、マッシュポテトのケッパー添え、それからおでん、サラダ、などを作りました。
デザートのパイは、娘と一緒にリンゴのミニパイ。リンゴを、バラの花のような形にして、カリっと焼き上げました。
まあ、あまり見栄えはよくないですが、味はよかったです!

感謝祭の後祭り

さてさて、感謝祭当日、お腹いっぱいターキー他を食べても、デカいターキーはまだまだ残っています。
この残ったターキーを、いかに消費していくか。。。
感謝祭の後、1週間くらい、みんなひたすら、ターキーを食べ続ける日が続きます。
これを、Post Thanksgiving scavenger と呼び、もう飽きたーというくらい、ターキーを食べなくてはなりません。
これも、飽きても食べ続けるおせち料理と似ています。

一番一般的なのは、ターキーサンドイッチ。
サンクスギビング後は、職場に行くと、みんなターキーサンドイッチを持参しています。笑。
私もそうでした。

しかし、ここからが、主婦の腕の見せ所。
その後のわが家の後祭り料理をご紹介します。

木曜日 感謝祭の日。焼き七面鳥およびその他。

金曜日 ターキーサンドイッチ トマト、レタス、ターキースライス、Goudaチーズでシンプルに。
同時に、ターキーと残り野菜で、あっさりブイヨン風味のターキースープ。

土曜日 ターキー雑炊。アジア風にナンプラーを加え、パクチーをたくさん添えて、タバスコでいただく。ほんのちょっとライムを絞って。

日曜日 ターキーチャーハン。今日はシンプルにと塩コショウ味で。

月曜日 ターキーピザ。生地
から自分で作る手作りピザ。ターキーの他に、ピーマン、オリーブ、生モッスツレラチーズとパルメザンチーズをふんだんに使って。

火曜日 ターキーとパスタのグラタン。 ターキー、ホワイトソース、チーズ、玉ねぎというシンプルなグラタン。隠し味にナツメッグ。こちらは、余っていたコーヒークリーマーで作りました。

水曜日 ターキーカレー さすがに、ターキーの味に飽きてきたので、最後の手段。かなり細かく切ったターキーで作るカレー。少し長く油で炒めてキーマカレー風。

そうそう、ターキーを一口大に切って、冷凍もしました。
これは、わが家の犬のおやつとして。

ウイッシュボーン

鳥の胸のところに、Yの形をした鎖骨があるのをご存じでしょうか。
英語では、これをWish Bone と呼び、願いを叶えるオマジナイをする習慣があります。
このwish bone 、Y字型ですが、私が見ると、まるで猫の子宮。。。(-_-;)
2人で、この骨の先端をそれぞれつかみ、願いを唱えながら、2つに折れるまで引っ張ります。
そして、根本の部分がついている骨が残ったほうの人の、願いが叶うという。
短く折れてしまった人の願いは叶わない。。。ひどく単純なあそびです。

今年のわが家のターキーにも、りっぱなウイッシュボーンが出ました。
いつもは息子と娘が願いをかけながら、2人で引っ張っていましたが、息子はウイッシュボーン遊びは卒業したもよう。興味なし。
なので今年は、私が娘と一緒に、それぞれの先端を持って、願いを唱えました。
テイーンの娘は何を唱えたのやら。
私はこっそりと、家族が、友が、そして世界中の動物たちが、飢えや寒さや苦しみから解放されて、虐待なく、幸せに生きられますように。。と心の中でそっと願いました。
。。。わっ。私が勝った!
願いが叶うぞ。

長々とわが家のサンクスギビングを紹介しました。
もうすぐ日本もお正月ですね。
みなさん、どうかステキな年末年始をお過ごしください。
Happy Holidays

アメリカ,人生・生活

Posted by Dr. Yuko Nishiyama