侵入!外出禁止令下の、ロサンゼルスの動物病院

2020年5月20日アメリカ,新型コロナウイルス

カリフォルニアに、外出禁止令が出て2日目。人々は、食料の買い出し、病院、銀行など、生きるのに最低限のこと以外、家で過ごさなくてはなりません。犬の散歩や、簡単なジョギングなどはオーケー。

コンビニ、スーパー、薬局、病院、警察など、Essential Business というのが指定されており、それらは仕事を続けてよいとされています。動物病院も、Essential Business と認められており、診療業務を続けることが許可されています。

ただし、ソーシャル・ディスタンス(Social Distance) というルールがあり、顧客(飼い主様)と、スタッフは、90-180センチ以上の距離をあけてか、防御器具を着用していなければ、直接話すことはできません。

アメリカ獣医師会が、各動物病院にガイドラインを指示

アメリカ獣医師会が、さっそく細かいガイドラインを指示し、各動物病院は、以下のルールを守りながら、診療しています。

  1. 緊急や急を要するケースに限って診察を行うこと。ワクチンや不妊去勢手術など、緊急性のないものは、後日まで待ってもらう。
  2. 来院する飼い主には、「発熱していないか、呼吸器症状がないか、新型コロナウイルスに感染している人と最近接触したか、海外渡航したか」の質問を、事前に必ず行い、あてはまる飼い主様は、他の人に動物を連れてきてもらうことをお願いする。どうしてもその飼い主が、自分で来院しなくてはならない時は、スタッフが、厳重な感染予防防備装置を着用してその方と接すること。
  3. すべてのケースで、飼い主とスタッフの接触を減らすこと。来院した飼い主は、車の中で待機し、スタッフが、動物を建物の中に連れていき、診察治療をする。
  4. 看護師、獣医師、受付の人は、車内で待機している飼い主と、電話で話しをする。直接、顔を見ながら話すことはない。
  5. 大型犬以外の犬、猫は、必ずキャリーに入れてきてもらう。車の中から、飼い主が駐車場に着いたと電話する。ペットを車の外に出して、地面に置き、車の中に戻ってドアを閉める。スタッフが外に行き、キャリーごと、院内に持ち込む。
  6. 院内に持ち込んだキャリーは、特にハンドルの部分を、ただちに職毒し、スタッフもただちに手洗い消毒をする。
  7. 診察治療が終了後も、同様に、スタッフが車の外にキャリーを置く。その後、飼い主が車のドアを開けて、車内にペットを載せる。
  8. 支払いなどは、全部、電話でクレジット決済。
  9.  動物が瀕死状態などの、一刻を争う事態の時は、直接手渡しすることが可能。
  10.  院内のスタッフも、コンピューターや筆記用具などのシェアはしないで、1.8メートル以上の距離をあけて話をするよう、徹底する。
  11. スタッフは、マスク、使い捨て手袋、手洗い、職毒の徹底。

動物は直接診察、検査、治療しても、飼い主様と電話だけでの会話、というのは、なかなか大変です。しかし、不特定多数の人と会話、接触すればするほど、コロナウイルスへの感染の確立が高まります。しばらくは不便ですが、この方法で続けるしかありません。

一方、動物病院が、Essential Business と認められているのは、大切なペットの命を預かっているからです。このような国家緊急事態下でも、獣医師は、ペットの診療を続け、命を守るよう信頼されている、ということですので、誇りを持って、最大限の感染予防の努力をしながら、職務を遂行したいと新たに感じました。

動画は、ロサンゼルス市内にある、ごく一般的な動物病院の今日の様子です。参考になるかと思い、撮影してアップしました。コメント大歓迎です。感想など、お気軽にいただけたらと思います。

どうか、一人でも多くのコロナ感染予防ができて、早く鎮火すること、もとの生活に戻れるように、心から祈るばかりです。

西山ゆう子

2020年5月20日アメリカ,新型コロナウイルス

Posted by Dr. Yuko.Nishiyama